平成30年2月9日実施
入間市内の解体業者様より、川越市にお住まいのお客様の屋敷内にある目通り2mの立派なシダレザクラの伐採の依頼がありました。
周囲の道が狭くて高所作業車やラフターが使用できず伐り倒すこともできないため、解体屋さんでは手に負えないとのことでした。
依頼人様はこのサクラを大切に管理されており、現自宅に引っ越しして来た際も以前住んでいた所から移植して植え直す程の方でした。
シダレの子孫を残そうと毎年多数のサクランボから発芽させていたそうですが、数千という程の苗を作ってもシダレは1本も出なかったそうです。
木が古くなって根元が傷み始めてきており、大風が吹くと枯れ枝が落ちたり木が音を立てて揺れたりして怖いとのことで、代替わりする前に整理することになったそうです。
近所では立派で有名で、市の保存樹木へ指定して残そうという声があったそうですが、指定されると伐りたくなった時に簡単に伐れなくなるので止めたとのことでした。
サクラは依頼人様自宅脇の農道に近い位置に立っており、その農道は入口付近の幅で3m程あるものの木の脇付近で2.6m程、さらに下がると両側に垣根があって2.2m程しかありませんでした。
農道に接している生活道路の幅員が約4mで、入口は両脇を隅切りしてあるので当社の5段ユニック車と全長7.7mの4段ユニック車が計算上ギリギリ進入できるので、ユニックで吊り伐りすることにしました。
まずは5段ユニックにゴンドラを取り付けて枝の剪定から開始し、約半日をかけて細枝を丁寧に全て取り払いました。
母屋の上や反対側に伸びた枝等5段ユニックの作業半径でなんとかカバーできて、枝を地面に直接落とすことなく手で持ちながら剪定することができました。
ある程度の太めの枝はゴミにせずパルプ材になるように伐り落とさずに残し、廃棄する枝は2t車1台で収まりきりました。
幹や太枝はゴンドラに乗りながら4段ユニックで吊り伐りしようとしていましたが、道が狭く最適な位置に2台を設置できないことから、4段ユニック車を木の真横に設置してクライミングで伐採しました。
道が狭いため標準300系ユニックでもアウトリガーを全張りできないことを想定して、荷台には予め1t少々の死重を積載して来ていました。
予想通りにアウトリガーは2段拡張のうち1.5段分程しか拡張できませんでしたが、死重を積載しているので太い枝も問題なく吊り伐りすることができました。
吊り伐った材は一時的にも吊り下ろすスペースが近くに無かったので、直接積込みということで荷台内に全て吊り下ろしました。
最後に元木も吊り伐りし、依頼人様より記念に輪切りが欲しいとのことで、元木の末口側で厚さ約12cmの円盤を2枚伐り出して差し上げました。
幹から円盤を伐り出し、切り株も元伐り時のまま綺麗に真っ平らに伐ったことで依頼人様は非常に喜んでおられました。