令和3年1月14日実施
青梅市の造園業者様より、同市内の神社境内にある目通り260cmの枯れモミの伐採の依頼がありました。
モミの直下には参道の階段や照明の配線、手水舎があって倒木や枯れ枝が落ちた場合は大惨事となるため、早急な対処が必要となっていました。
山の上にある神社の境内の周囲にある木の1本で、周囲の木も含め境内の立木は全体的に樹高が高めでこのモミは目測で30m近い高さがありました。
枯れてから1年近くは経過しているものとみられ、樹皮はまだ剥がれていないものの虫食い跡や梢端部の傷みが地上からも見受けられ、伐採にはかなりの危険が伴うことが予想されました。
幸いにも神社境内へは幅員が狭く急勾配で急カーブの管理用道路があったので、当社の原木運搬車や20tクレーン程度までの車両はギリギリ進入可能でした。
境内はトラックが容易に転回できる以上の平坦地があってクレーンの搬入にも問題なく、伐採材は4m材で伐出可能で迅速かつ安全に伐採も可能となりました。
モミの前には手水舎が立っており、手前側から作業する場合は20tクレーンが必要でしたが、ミニラフターの場合は石畳の上を走行して手水舎の脇に設置することができるので13tクレーンを使用することにしました。
手水舎は万が一の落下物に備えて造園業者様側で櫓を組んで簡易屋根を設置し、参拝者の安全確保のために見張り誘導員を1名付ける手配となりました。
街道からの入口に勾配が急激に変わり車高低めの車や低床トラックは通過できない箇所があって、全車通過して最少幅員2.5mの箇所、側溝や縁石から脱輪寸前の箇所もギリギリで通過して境内に搬入しました。
枝下ろし時の万が一の落下枝を考慮し、クレーンはジブ2段拡張して手水舎の手前側から離れた位置で枝だけを先に伐り下ろし、落下物の心配が無くなったところでモミに接近して胴切をすることにしました。
9時半までに枝を全て取り払って棒立ちの状態にして、休憩を挟んでクレーンを手水舎脇の狭い参道上へ移動してモミに可能な限り接近しました。
棒立ちの状態でも胴木は20mを裕に超えていたためジブ拡張状態のまま胴切を開始し、幹は概ね4~5mで5分割にして伐採しました。
午前で伐採作業は終了して午後一番で伐採材を積み込んで当社の作業は終了し、枝葉等は造園業者様のパッカー車に積み込んで処分していただきました。
胴木上部は水分が少なく虫食いのひどい状況で、根元に近づくにつれて水分が多くなり虫食いも少ない状況でした。
梢端部は水分がほとんど無く枯れて折れやすい危険な状況となっており、これ以上放っておくと落下枝の危険性が高まる上に伐採難度もどんどん高くなるので、良い時期に撤去することができました。