令和3年3月16、18日実施
さいたま市の造園業者様より、同市内中央区の神社境内にある目通り370㎝と360㎝のケヤキ大木2本、目通り350㎝の大木1本を含むムク3本の伐採、そのほか剪定の依頼がありました。
経年による腐食が大きくなり万が一の倒木の危険性が高い樹木を優先に伐採し、道路や建物に近い樹木も一部枝下ろしや伐採もしたいとのことでした。
樹勢が正常な伐採木のうち、境内奥のムク1本はすぐ隣に幼稚園が新規開園するため落葉対策として伐採し、社殿側へ伸びた樹木の枝も剪定することになっていました。
神社の広場にあるケヤキ大木2本とムク大木1本は、道路のすぐ脇や雑踏の多いことが原因で根元が大きく腐食しており、ケヤキはかなり前の強剪定の影響で幹上部からも腐食が入っている状況でした。
ケヤキ大木2本は道路を挟んで向かい側の新興住宅へ大きく傾いて生えており、倒木した際には道路や電線、住宅へ大きな被害が生じるためこれら2本の伐採が今回のメイン工事となっていました。
特にケヤキの根元にはサルノコシカケが複数寄生してかなり危険な状況となっており、目通り360㎝ケヤキは倒木まで秒読み段階に入っていると思われるほど腐食が激しい状態でした。
昨年5月頃の段階で造園業者様より伐採計画を耳にしており、神社という環境からケヤキを買い取ってもらって伐採費を抑えたいとの意向がありました。
ストリートビューでの簡易調査でも幹上下の腐食が顕著な状況でしたので、伐採費はほぼ全額発生してしまうことをお伝えし、昨年12月には伐採に向けた現地調査を実施しました。
老木のため目通り370㎝ケヤキの樹皮部には玉杢が見られ、根元には非常に大きなボール状の木の玉が付いており、杢の出現するケヤキであることは間違いありませんでした。
しかしながら、本来杢の出る木に対しては樹齢が若く、木も小さく、今回のケヤキは腐食が大きいことにより搬出処分費用を相殺ということで無償引取とさせていただきました。
神社境内は広いためクレーンやトラックがある程度自由に進入することが可能で、広場までに限っては25tクレーンをほぼ無養生で搬入することが可能でした。
広場以外の樹木を伐採するためには参道の石畳の上や神社林の中を縫ってクレーンを搬入するので、それらの場所はミニラフターでの作業に限られていました。
工期4日間のうち最初の2日以内でミニラフターでの伐採作業を必ず完了し、時間が余れば広場の樹木にも一部取り掛かり、後半2日で16tまたは25tクレーンを搬入して大木類を伐採する予定としました。
16日は12tクレーンを搬入して境内奥左側の県道側に伸びたムクの一部枝下ろし、幼稚園脇のムク1本と追加として細ムク1本の伐採、社殿脇のケヤキ枝下ろしをしました。
境内奥には鉄板等の敷板を敷設することが難しいので参道の石畳付近のみを養生してクレーンを搬入し、神社林内等で沈下して轍となった箇所は工事終了後に整地することで良いことになっていました。
伐採材・発生材は全て搬出処分する必要があるので枝葉は造園業者様がパッカー車で搬出し、伐採材はダンプで広場まで小運搬してもらい、ユニックで当社の原木専用運搬車に積み替えて搬出しました。
17日は当社の定期的な都合で延期し、18日は13tクレーンを搬入して境内奥右側の追加としてシュリザクラ1本の伐採、モチノキ2本の剪定、目通り350㎝ムク等2本の伐採をしました。
午前中に境内奥右側の伐採を終了し、午後からは広場側で県道脇のムク1本と目通り350㎝ムクの伐採に取り掛かり、目通り350㎝ムクの元木残しで2日目の伐採を終了しました。