令和元年12月21日実施
富士見市の方の紹介により、同市内のご近所にお住まいのお客様の屋敷裏にある目通り200cmのケヤキの伐採の依頼がありました。
近隣に建売住宅ができたことで落葉への配慮や、ご高齢の依頼人様が昔に苗をもらってきて植えた木のために終活の一環としてご自分の代で処分したいとのことでした。
ケヤキは依頼人様の自宅敷地内の奥にあって、周囲は蔵や母屋、垣根や田んぼに囲まれていて重機が近寄れる状況ではありませんでした。
屋敷内へ続く常口は狭く、最初に訪問した際には庭へ入る箇所が垣根で特に狭くなっており、4t車クラスの車両では両サイドを擦らないと庭へ入ることができませんでした。
また、そのちょうど狭い箇所付近の地面のすぐ下には水道管が通っており、重い車両にはおそらく耐えられないとのことでした。
屋敷内へクレーンを搬入することが難しいと依頼人様と紹介者様は想定していたようで、ケヤキの脇を通る公道を通行止め道路使用を申請して敷地外より大掛かりな作業することを考えておられました。
道路使用許可を申請して作業するためには申請等の事前準備が必要となるので、敷地内から作業できないかと計測したところミニラフターであれば物理的に搬入は可能でした。
また、敷地内でクレーンを設置する位置から伐採木までの距離を測定したところ、枝だけは吊り伐れる作業能力を確保できることも判明したので12tクレーンを使用することにしました。
伐採発生材のうち幹や太枝材は当社で引き取って欲しいとのことで、枝葉等はチップ化して母屋の裏に散布してもよいことになっていました。
敷地内へクレーンや伐採材を積んだトラックを搬出入する際、水道管の通っている箇所の養生は厚ベニヤを重ねて対応できるので手軽に車両を搬入することができました。
予め依頼人様側で通路脇等にある垣根や植木を剪定してあったので、トラックは垣根で両サイドを擦ることなく常口通路の道幅ギリギリで搬入しました。
クレーンを設置する場所の地盤も沈下防止のために厚ベニヤを敷いて搬入し、ジブ2段拡張して伐採に取り掛かるまでの段取りで約1時間を要しました。
吊り伐った枝は直下の狭い場所に吊り下ろす必要があり、次の枝が下りて来るまでに枝払いとチップ作業を同時並行する必要がありました。
樹上作業、枝処理作業、チップ作業の連携と迅速な対応が特に必要な現場であると想定していたので、当社からは6人の作業員を用意していました。
増員のお陰でどの工程でも作業が止まることなく、作業開始後は2時間掛からずに全ての枝を伐り下ろし、昼までに太枝材の搬出積込と枝葉のチップ化作業は終了しました。
胴木はクレーンで吊り伐りするためには長さ1m程度の細切れにする能力しか確保できていないので、伐倒してから元木で3m材を採った上でクレーンで引き摺って搬出しました。
14時までに胴木の伐採と伐採材の搬出と積込が終了し、14時半過ぎにはクレーンの搬出と厚ベニヤの回収が終了して全作業を終了しました。
11月に当社のチッパーが重要部欠陥(フレームやブラケット等にクラック発生)によりクレーム修理へ入り、3週間待っても修理が全く終わらない状況でした。
今週前半に修理完了が来年1月末頃との連絡があって当社の予定が大幅に狂い、ほとんどの現場がチッパー不在で延期もしくはキャンセルせざるを得ないことになっていました。
18日にリース機が見つかって20日中の引き渡しがギリギリ可能であることが確定したので、本作業は延期せずにお客様へご迷惑をおかけすることなく作業を完了しました。
その代わりメガソーラー発電所関連の伐採ではチッパーを使用する最後の工程が間に合わず、枝葉処分費用を当社が負担して元請側に処分を依頼することとなりました。
11月6日から続く作業も12月6日で最後のチップ化作業を残すところまで終了しており、リース機が来ても工期には間に合わないので協議の上12月20日付で決着しました。